遠方からでも売却できる?不動産売却の方法と注意点についても解説

転勤や相続などの事情により、遠方から不動産を売却しなければならない場面に直面する方もいるでしょう。
頻繁に現地へ足を運べない場合でも、適切な手続きを踏めば、スムーズに売却を進めることは十分可能です。
持ち回り契約や代理人の活用、司法書士への依頼など、負担を軽減する手段を上手に取り入れることが大切です。
この記事では、遠方にいながら不動産を売却するための具体的な方法や流れ、注意すべきポイントを解説いたします。
不動産売却を遠方からおこなう方法

遠方にお住まいで不動産の売却を検討している方にとって、現地に赴かずに手続きを進める方法は重要です。
この記事では、郵送で契約を交わす方法や代理人を立てる方法、司法書士に依頼する手段など、実際に使える3つの方法を解説いたします。
それぞれの方法には、特徴や注意点がありますので、状況に応じた適切な選択が成功への鍵となります。
書類を郵送でやり取りする「持ち回り契約」
「持ち回り契約」は契約書を郵送し、互いに署名捺印して締結する方法です。
契約書は双方で1通ずつ保管し、収入印紙も各自貼付します。
不動産会社が契約書を作成し、買主が署名と手付金を支払い、続いて売主が署名すれば成立します。
令和4年5月施行の改正により電子署名による契約も可能となり、郵送より迅速です。
また、遠隔地の売主でも、移動せずに手続きできる点が大きな利点です。
書類の追跡や紛失防止のため、書留郵便や宅配便を選ぶと安心でしょう。
手付金は原則銀行振込で、不動産会社から預かり証を受け取れば証跡が残ります。
電子契約ではタイムスタンプが自動付与されるため、改ざん防止と同時に契約日時の証跡を残せます。
信頼できる親族や第三者による「代理契約」
代理契約は、売主が信頼する人に手続きを一任する方法です。
委任状に代理人・物件情報・委任範囲と有効期限を記載し、実印と印鑑証明を添付します。
代理人が署名捺印して契約を進めるため、売主は現地へ行く必要がありません。
専門家を選ぶ場合は、報酬が売主負担となる点を確認しておきましょう。
委任状や本人確認書類はコピーを保管し、郵送時は信書便を利用すると情報漏えいを防げます。
司法書士や行政書士を代理人にする場合は、委任範囲を登記や決済など細かく定め、報酬トラブルを避けることが大切です。
司法書士を活用した手続きの方法
司法書士に委任すれば、所有権移転などの登記を代行してくれます。
オンライン面談を含む対面確認が必須で、電話だけでは完了しません。
必要書類を揃えたうえで、報酬と登録免許税のおおよその金額を事前に見積もると安心です。
登記識別情報通知書や固定資産評価証明書なども郵送できるため、紛失防止のためコピーを残しておくと安全です。
司法書士が作成した登記完了証はPDFで共有してもらえるため、遠隔地でも進捗をすぐ確認できます。
ビデオ通話時には、顔写真付き本人確認書類を提示し、音声と映像が記録される形で実施すると手続きの透明性が高まります。
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不動産売却を遠方からおこなうときの流れ

現代では、郵送や代理人、専門家を活用することで、売主が移動せずに契約から引渡しまで完了させることが可能となっています。
ここでは、遠方からの不動産売却の一連の流れを段階ごとに解説いたします。
まずは不動産会社に査定を依頼して価格を確認
スタートは物件所在エリアの不動産会社へ査定依頼をおこない、市場価格を確認することです。
机上査定なら遠隔でも完結し、訪問査定は鍵預けなどで対応できます。
査定後は媒介契約を締結し、定期報告が義務付けられる専任または専属専任媒介を選ぶと進捗を把握しやすくなるでしょう。
契約締結後に、広告掲載などの販売活動が始まります。
査定依頼時にリフォーム履歴や固定資産税評価額を共有すると、より精度の高い価格提示が期待できます。
進捗報告はメールやクラウドサービスで受け取ると、移動の負担なく状況を把握できるのが利点です。
複数社からオンライン一括査定を取得して比較すると、地域相場を俯瞰でき価格交渉の材料になります。
契約書類の郵送と署名・捺印による手続き
まず、買主が決まったら売買契約書を交わします。
遠隔の場合は、契約書を郵送して互いに署名捺印する持ち回り契約が主流です。
次に、不動産会社作成の契約書に買主が署名と手付金支払いをおこない、続いて売主が署名すれば契約成立となります。
書類往復には日数がかかるため、日程をあらかじめ調整し、収入印紙貼付も忘れないようにしてください。
契約書は赤字訂正ができないため、誤記があれば差し替えとなります。
また、郵送前にPDFで内容を確認しておくと、手戻りを避けることが可能です。
印紙税の額は契約金額によって異なるため、不動産会社に確認して過不足なく貼付することが必要です。
引渡しや決済も郵送・代理で対応可能
決済と引渡しは、代理人方式で対応することが可能です。
委任状と印鑑証明を準備し、登記識別情報などの必要書類も事前に揃えておきます。
当日は代理人が銀行で振込をおこない、司法書士が入金確認後に鍵を引渡し、オンラインで登記申請して完了します。
なお、手続き日程は、銀行と司法書士の立会いに合わせて事前調整が不可欠です。
当日は、代理人と司法書士がオンラインで連絡を取り合いながら進行するため、リアルタイムで状況を共有できます。
金融機関によっては預かり金サービスを利用でき、資金授受の安全性がさらに高まります。
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不動産売却を遠方からおこなうことの注意点

遠方に住みながら不動産を売却する際には、特有の課題や注意点が存在します。
現地に足を運ばずに手続きを進めることは可能ですが、適切な準備と知識が不可欠です。
本記事では、遠方から不動産を売却する際の注意点を3つの観点から解説いたします。
現地確認や手続きに時間がかかる場合がある
遠隔売却では、物件調査や書類取得を現地業者に依頼するため、工程全体が長期化しがちです。
郵送中心のやり取りでは再送リスクもあるため、余裕ある日程を組み、不動産会社とタスクを共有しましょう。
室内の家具撤去や清掃が必要な場合は、地元業者に見積もりを依頼し、日程を早めに確定しておくと遅延を防げます。
売却前に役所での各種証明書取得も必要となるため、郵送請求の場合は余裕をもって申請すると安心です。
売主本人の現地訪問が必要になることも
オンライン重要事項説明の普及で現地訪問は不要な場合が多いものの、引渡し立会いなど本人確認が求められるケースもあります。
老朽物件の状態確認など1回の訪問で済むよう、不動産会社と計画を立てると効率的です。
買主との最終確認をオンラインでおこなう際は、画面共有で設備状態を示すと信頼関係を築きやすくなります。
売主が高齢の場合は、移動の負担を考慮して介護タクシー手配なども検討すると良いでしょう。
信頼できる不動産会社や代理人の選定が重要
地元市場に精通し、連絡が行き届く不動産会社を選ぶことが成功への近道です。
必要なら司法書士などを代理人に立て、役割分担を明確にしておくと安心です。
候補会社の宅建免許番号や口コミ評価を比較し、代理人との連携フローを事前に共有しておくと不安を軽減できます。
オンライン面談で担当者の対応速度や説明のわかりやすさを確認し、比較表を作成して選定すると客観性が保てます。
遠方売却は、「誰に任せるか」が成否を分けると言っても過言ではありません。
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まとめ
遠方からの不動産売却は、事前の準備や手続きの工夫によって、現地に行かずに進めることも十分可能です。
持ち回り契約や代理契約、司法書士の活用などにより、時間や移動の負担を軽減しながら手続きを進行できます。
ただし、代理人の選定や書類管理には慎重さが必要なため、信頼できる専門家との連携を意識することが重要です。

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